
無料一人用朗読台本
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2025年6月6日。 誰も読まないブログに僕の人生を綴った。 これで人生が変わるとは思っていない。未来に意味ができるとは思っていない。過去に色が付くとも思っていない。 ただ、承認欲求と反骨心に突き動かされただけだ。 さして語るところのない平々凡々な人間の、起伏がなさすぎる淡泊な人生を、誰しもが抱える薄ら暗い感情を爆発させて、気の向くまま乱雑に書き綴っただけのブログだ。 改めて読み返すと、推敲することなくタイピングした文章はところどころ文法がおかしく、わざとらしい比喩や過剰な感情表現が鼻につき、普遍的なナルシシズムがみっともなく具現化されていた。 自分だけの人生を書き綴ったはずなのに、できあがったのはありふれた薄っぺらい駄文だけ。ありきたりな羞恥心と後悔に駆られ、ブログを削除したくなるところまでがワンセットだ。 まぁ、これはこれで僕らしいか。 どのみち誰も読まないブログだ。 だからこそ、僕は×△×△ブログという聞いたことのない過疎ブログサービスを利用した。SEO対策なんてまるでしていない、悪質な広告まみれでユーザーのことを一切考えていない、品性下劣なサービスだ。 悲喜交々入り乱れるインターネットという大海原の奥深く、深海魚すら生息できない暗澹たる深層、その遙か向こう側の海底の如きブログだ。 ここなら、誰にも見られることはない。 ありふれた人生をありきたりだと嘲り笑われることもない。 深海魚に扮した色鮮やかな熱帯魚達の玩具にされることもない。 僕だけの世界だ。 それでも、いつの日か誰かに見られることがあるかもしれない。深海の奥底にまで足を踏み入れた物好きによって掘り起こされ、日の目を見ることがあるかもしれない。僕が死んだ後、遠い未来のどこかの誰かが読んでくれるかもしれない。 そんな漠然とした細い希望が僕のみみっちい承認欲求を優しく潤してくれた。 ……我ながらこじらせてるな、と苦笑する。 きっと、この感情さえもありふれたものなのだろう。 『×△×△ブログサービス終了のおしらせ』 2025年6月7日をもちまして、×△×△ブログサービスは終了することとなりました。 サービス開始から半年にわたり、ご愛用いただき誠にありがとうございました。
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【タイトル変更案】
『このブログはフィクションです』
『ありふれた結末』
『誰にも読まれなかったブログの結末』など
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