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【一人用フリー台本】ゆるやかに消えてしまいたいと思った【シリアス朗読】

無料一人用朗読台本

本記事は動画、配信、朗読、声劇、演劇などで自由に使える一人用のフリー台本です。

ゆるやかに消えてしまいたいと思った。

早朝の澄んだ空気を浴びて、
温かなコーヒーを一口飲んで、
甘ったるいジャムを塗ったトーストをかじりながら、
ふと思った。

ゆるやかに消えてしまいたい、と。

今すぐにではなく、
あっという間にでもなく、
ゆるやかに。
のんびりと。
スローペースで。
自分が消えていることさえも気づけないくらいに。

雨粒が岩を穿つくらい、
悠久の時をかけて。

子々孫々と受け継がれてきた思いが形骸化していくくらい、
途方もない時間の果てに。

僕はゆるやかに消えてしまいたい。

絶望という絶望を水で薄めて溶けてなくなるほど。
希望という希望が光で霞んで見えなくなるほど。
永遠に近しいむごたらしい時間の中で。

僕は爽やかに終わりを迎えるんだ。

大切な人の記憶も朧気なままで。
自分が生きているのか死んでいるのかあやふやなままで。

僕はひっそりといなくなる。

そんな甘やかな終わりを思い描きながら、
すっかり冷めてしまったコーヒーを口に運んだ。
焦げ付くような苦みが舌の付け根に染み込んでいく。

ああ。
今日も今日とて僕は生きている。
ゆるやかに消えてしまうことなんてできないまま、
今日という一日に悪態をついて生きていく。

そんなものさ。

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